四季に応じた生活法

心身共に生き生きと
伸びやかに
活動しだす季節

春一番、春二番といわれるように六気の中で「風」が主なる気です。
また、「陽気宣」と言われるように、天地間の生気が発生し、温かく、伸びやかに成長する時期。
ですから、心身共に生き生きと伸びやかにリラックスでき、活動しだす季節で、次のような特徴があります。
・冬閉じこもっていた気が春の温暖な気候によって発散する「散」の特徴。
・温かい陽気は軽く上に升り、多くの生命が芽を出し上に伸びていく「升」の特徴。

五臓では、自律神経、情緒、解毒、目、筋肉等と関係する「肝」が影響を受けやすくなります。
※寒暖の変化、環境の変化が大きく、身体も活発になりだす季節の為、心や体が不安定になり易い季節です。

春の特徴と生活

上半身は暖気を感じ易くなっていますが、寒暖の変化が激しく、冬の冷気は大地に残っているため、寒冷の気に注意して、冬の閉じこもった生活から心身をよりよく解放し、伸びやかに過ごします。

[ 升・散 ]
温暖な気
散・升
芽出・上へ伸びる
衣服
ゆったりとしてリラックスできるもの。下肢の冷えに注意。
食事
「食養法」を基本とします。
心身の解放のためには、少食・薄味とし、下記のものが良いです。

旬のもの
菜の花、ふき、ふきのとう、ニラ、よもぎ、三つ葉、筍、セロリ、さやえんどう、春キャベツ、新玉ねぎ、ひじき、わかめ、アサリ、はまぐり、いちご、よもぎ、新茶 等
※独特の苦味や香りのある春の食材は、冬の間にため込んだ老廃物の排泄を助けたり、上昇しすぎた陽気を落ちつかせ、気の巡りを整えます。ただ、アクが強いものは少量にします。
陽気をめぐらすもの
香りのよいもの
(セロリ、ニラ、三つ葉、紫蘇等の香りの強い野菜、柑橘類、ミント等)
体の操作
ゆったりとでき、体をゆるめ気の流れを伸びやかにする操作で、さらに丹田を充実させるものが良いです。
ウォーキング(散歩に近いもの)、ヨガ、太極拳、呼吸法 等。
可能な時は、少し早めに起き、朝日を浴びて、ゆったりと体を動かすと良いです。
イライラした時も深呼吸してみましょう。
心の在り方
  • 心の「こだわり」「こわばり」「とらわれ」といった鎧をゆるめ、良き心も悪き心も審判・判断しないであるがままの自分を認めて上げると良いです。
  • 何事にも感謝し、快・楽・喜の時間をもつようにすると良いです。
  • 何かをやりたい気持ちも芽生えやすい季節、その気持ちを抑制せず大切にすると良いです。
環境
大地も緩み、冷たい空気が残っていますが、上は暖かい空気に覆われ、多くの生命が芽を出し活動しだします。春の気候と一体化・融和の体験として、春の大地・植物・花などに触れつつ味わい、陽気を受け入れましょう。

食養法

食は体や心の
健康をつくります

基本

食への感謝の心(食ベ物のいのち、大自然の恩恵、食べられるまでに関係した人々への感謝)
楽しく、感謝していただく。「いただきます」「ごちそうさま」

主食・副食

穀類を主食として、色々な種類の食べ物をバランスよく摂りましょう。

主食
穀類
:お米(発芽玄米など)を中心に、蕎麦・麦類など(季節・地域に応じて)
副食
野菜、きのこ類、海藻、豆類、魚介類、果物など

風土や季節、体調に合わせて

住んでいる土地の風土や季節、そして食べる方の年齢、性別、職業、体質・体調等に合った食を考えましょう。体に聞く事が大切です。

  • その土地の旬の食べ物(身土不二)
    :新鮮で栄養が豊富なだけでなく、その土地・季節に合った働きをもち、体を整えます。
  • 食べ物には五色、五味、五性があり、それぞれ働きがあります。
    五色(青・赤・黄・白・黒)
    五味(酸・苦・甘・辛・鹹)
    五性(寒・涼・平・温・熱)
    季節や体調に合わせてバランスよく摂りましょう。(調理の仕方により、五性、五味は変化します。)

摂りすぎに注意するもの

冷たいもの、生のもの、甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、香辛料、コーヒー、アルコールは摂りすぎに気をつけましょう。

調味料

調味料はできるだけ添加物の入らない本来の製法で作られたものを選びましょう。

塩・砂糖
精製されていないミネラルが豊富なもの
味噌・醤油
充分に発酵されたもの

調理の仕方

  • 調理や組み合わせで、食ベ物のバランス、味・形・色合いを整えます。
  • 加熱・生食、臨機応変に取り入れ楽しみましょう。
  • 全体を無駄なく使いましょう。(全体食・生命食)
    (丸ごといただけるものを選んだり、皮等も可能な範囲でむかずにいただくか、上手く活用しましょう。)
  • 日本伝統の保存食・伝統食(味噌・醤油・梅干・たくあん・納豆・ぬか漬け・酢・みりん等、だし、味噌汁・煮物など)を大切にしましょう。
  • 油を使う時は酸化に気を付けましょう。

食べ方

  • よく噛んで、食のいのちを感じ、味わい、観察しましょう。
  • 腹八分目に(基本的に体に聞きます)。
  • お腹が空かない時、体調が悪い時などは無理に食べないように。

※色々な食養法、手当てがありますので、
必要に応じてとり入れるのもよいです。

食養法について ▼
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春を快適に過ごす為に

春を快適に過ごす為には、第一は冬からの準備、つまり、冬の健康法を参考に健やかに過ごすこと、 第二は春の気候に適応していくことになりますので、この2点について述べていきます。

1.冬からの準備

季節の循環を考慮しますと、春の前の季節、冬の特徴を考える必要がでてきます。つまり「冬に精を蔵する」という腎の気を養う生活を送るということが出発となります。腎・丹田が充実し、安定していると春の「升」「散」という気の変動を受けることなく、逆に「升」「散」の解放、喜びを味わうことができます。しかし、下記のように「精を蔵する生活」に反しますとその結果は春に現われてきます。
・暖房のしすぎ、季節外れの温暖な気候、厚着、激しい運動により発汗過多となると、精気は外に漏れてしまします。
・過労、夜遊びによる精気の消耗、房事過多、さらに慢性下痢、辛味過多なども「精不蔵」体質、つまり「腎虚」を形成することになります。
従いまして、春を快適に過ごす為には、「冬に精を蔵する生活」を送り、「伸びやかな春の生活」に上手くつなげていく事が大切です。

2.春の気候に適応していく

上記「春の特徴と生活」で述べたことにつきます。
衣食住から体の操作・心の在り方等、陽気を伸びやかに、升散の空間の中で充分体験していかれるとよいです。

春の主な症状

  • 皮膚症状・湿疹が出やすくなる
  • アトピー性皮膚炎が悪化
  • 感冒
  • 花粉症
  • 鼻炎
  • 首肩こり
  • 頭眩
  • 頭痛
  • めまい
  • 眼の症状
  • のぼせ
  • 血圧上昇
  • 不眠
  • 精神神経症状(イライラ・不安等)
  • 胸脇痛
  • 筋肉のひきつれ
  • 四肢の異常運動や強直・ふるえ等
※現在、地球規模で気候の変動が起きており、季節の特徴にも変化が出てきております。
そのため、ここで述べたこととのずれも生じてくるかもしれません。
一人一人適応する方法を創造していくチャンスでもあります。ご不明な点はご質問ください。

当院ではお悩みを丁寧に伺い、
伝統医学をもとに、
ひとりひとりに合った方法で、

健康をサポートいたします。

ぜひお気軽にご相談ください。

当院をご利用のお客様でご希望の方に、院長著書の養生法をまとめた冊子(「いのちのしくみ」をあじわう / 和器出版)を差し上げております。ぜひご活用ください。

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