男性の年齢と健康

人生の節目節目で体調の変化を経験される方も多いと思います。
自分の体調を長い期間でコントロールするのはなかなか難しいものですが、
年齢の節々をうまく過ごすことが大切になります。

男性の体は
「8の倍数」
で変わる

漢方の古典「黄帝内経素問」上古天真論には男性の体は8の倍数で年齢と共に変化し、腎が成長・発育・生殖・老化の過程に関わることが記されています。

『黄帝内経霊枢』天年篇には、人の血気の盛衰や生まれてから死ぬ迄のプロセスが10の倍数の年齢で記されています。 これらを参考に一人一人自らの節目として8の倍数から10の倍数の年齢を観察して取り組んでいかれると良いでしょう。

8

腎気が充実しはじめ、髪の毛は長くなり、永久歯へ生え変わる。

16

腎気が旺盛になり、精通を迎える。

24

腎気は充実し、筋骨がしっかりし、親知らずも成長し、身長も伸びて最も盛んになる。

32

筋骨が強壮となり、肌肉が豊かで逞しくなる。

40

腎気が衰えだし、髪の毛は抜け、歯は痩せてつやがなくなる。

48

体力的に衰えはじめ、顔がやつれ、白髪が混じるようになる。

56

肝気、腎気が衰え、筋肉、生殖能力も弱り、形体が衰えはじめる。

64

歯や頭髪が抜け落ちる。

※古典が書かれた頃と現代では異なる面もあり、また個人差もあるため、あくまで目安となります。
男性特有の主な症状
腰痛、男性更年期症候群、男性生殖機能障害(遺精・インポテンツ・早漏・精子減少・無精子症…)、前立腺肥大症、前立腺炎、早禿(若禿)

養生法

孫子の兵法の「善く勝つものは、戦わずして勝つ」や『素問』四気調神大論の「聖人は己病を治すに非ずして未病を治す」で述べられていますように、病が発生してから医薬鍼灸に頼るのでは遅すぎるという視点が養生の道になります。その為には、日常生活の心の在り方や生活の在り方(衣・食・住・体の操作・…)など、大自然の法則・秩序に則って生活していく事が基本となります。
※下記の養生法は、男女共通の内容になります。

呼吸法

酸素と気(プラーナ)を充分取り入れる事と丹田充実となります。
酸素と気を充分に取り入れる為には、丹田充実による深い呼吸と鼻呼吸が大切です。
丹田充実の為には、腹式呼吸・逆腹式呼吸・丹田呼吸などがあります。
鼻呼吸では、空気中の雑菌やウイルスを鼻粘膜で制御してくれますが、口呼吸ではそれらが直接気道から肺に入ってしまいます。

食養法

食は体や心の
健康をつくります

基本

食への感謝の心(食ベ物のいのち、大自然の恩恵、食べられるまでに関係した人々への感謝)
楽しく、感謝していただく。「いただきます」「ごちそうさま」

主食・副食

穀類を主食として、色々な種類の食べ物をバランスよく摂りましょう。

主食
穀類
:お米(発芽玄米など)を中心に、蕎麦・麦類など(季節・地域に応じて)
副食
野菜、きのこ類、海藻、豆類、魚介類、果物など

風土や季節、体調に合わせて

住んでいる土地の風土や季節、そして食べる方の年齢、性別、職業、体質・体調等に合った食を考えましょう。体に聞く事が大切です。

  • その土地の旬の食べ物(身土不二)
    :新鮮で栄養が豊富なだけでなく、その土地・季節に合った働きをもち、体を整えます。
  • 食べ物には五色、五味、五性があり、それぞれ働きがあります。
    五色(青・赤・黄・白・黒)
    五味(酸・苦・甘・辛・鹹)
    五性(寒・涼・平・温・熱)
    季節や体調に合わせてバランスよく摂りましょう。(調理の仕方により、五性、五味は変化します。)

摂りすぎに注意するもの

冷たいもの、生のもの、甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、香辛料、コーヒー、アルコールは摂りすぎに気をつけましょう。

調味料

調味料はできるだけ添加物の入らない本来の製法で作られたものを選びましょう。

塩・砂糖
精製されていないミネラルが豊富なもの
味噌・醤油
充分に発酵されたもの

調理の仕方

  • 調理や組み合わせで、食ベ物のバランス、味・形・色合いを整えます。
  • 加熱・生食、臨機応変に取り入れ楽しみましょう。
  • 全体を無駄なく使いましょう。(全体食・生命食)
    (丸ごといただけるものを選んだり、皮等も可能な範囲でむかずにいただくか、上手く活用しましょう。)
  • 日本伝統の保存食・伝統食(味噌・醤油・梅干・たくあん・納豆・ぬか漬け・酢・みりん等、だし、味噌汁・煮物など)を大切にしましょう。
  • 油を使う時は酸化に気を付けましょう。

食べ方

  • よく噛んで、食のいのちを感じ、味わい、観察しましょう。
  • 腹八分目に(基本的に体に聞きます)。
  • お腹が空かない時、体調が悪い時などは無理に食べないように。

※色々な食養法、手当てがありますので、
必要に応じてとり入れるのもよいです。

睡眠

心身を整えるために重要な時間です。
必要な睡眠時間は季節や年齢などにより異なり、個人差もありますが、質の良い睡眠をしっかりとれるよう心がけましょう。生活リズムを整え、遅くても23時には横になるのが理想です。病気や不調の在る方は22~6時の睡眠が理想です。
生活環境により可能な時間は様々ですので、臨機応変に対応しましょう。
ご高齢となると、若い頃と比べて睡眠が浅く短くなりますが、自然な変化ですのであまり心配はいりません。ですが、原因があったり、生活に支障がでるなどお困りの場合はお気軽にご相談ください。

身体の操作法
(自らの生活環境・体質に応じ臨機応変に選択し、継続)

  • 皮膚に作用:呼吸器・皮膚の弱い人に良い
    (乾布摩擦・冷水摩擦…)
  • 循環に作用:気血の循環の弱い人に良い
    (毛管運動・温冷浴・ウォーキング・太極拳・気功・水泳…)
  • 筋肉に作用:筋肉・腱の強化と柔軟性に良い
    (ヨガ・気功・操作法…)
  • 関節・骨格に作用:バランスと柔軟に良い
    (操体法・金魚運動・整体…)

性生活の規律

環境

  • 季節に応じた衣類・部屋の換気・温度や湿度の調節
  • 電子機器(5G・パソコン・携帯電話・電子レンジ…)による電磁波障害の防御
  • 大地・緑豊かな場・海・川などの場との触れ合いを多くする

心・感情

  • 素直な自己表現を試みる
  • ネガティブな思考・感情においては、他者・自分を責めるのではなく、その感情・思考の生じた背景を内省・内観していくと感謝・喜びに変化する。
  • 笑顔・笑い・喜びは自らの脳の認知により、免疫力の向上につながりますが、不安・恐れ・心配は免疫力や地球環境のダウンにつながります。

上記の養生法は一例であり、
ひとりひとりに合った
方法があります。

当院では、お身体の状態に応じて
ひとりひとりに合った養生法
をご提案いたします。

お悩みや気になることが
ございましたら、

ぜひお気軽にご相談ください。

鍼灸院で施術、または漢方薬局で漢方をお求めになられたお客様で、ご希望の方に院長著書の養生法をまとめた冊子(「いのちのしくみ」をあじわう / 和器出版)を差し上げています。ぜひご活用ください。

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